値上げしたのになぜか販売数アップ!
『ガリガリ君』(赤城乳業)の強さの秘密
「馬鹿正直」な会社は残る
◆誠実以上に「馬鹿正直」という言葉が似合う
一方、赤城乳業の意識は消費者だけでなく、社員にもしっかりと向けられている。安心安全を消費者に届けるためには、その土台を支える社員の協力が必要不可欠だからだ。
たとえば、『5S』工場の全社員は月に1回、改善提案を提出している。社員ひとりひとりが改善活動を考え、職場をよりよい環境にする意識が徹底されている。こうした活動は社員を“ガス抜き”させるためのポーズではない。優れた提案は随時導入され、優秀提案者には表彰も行われている。上層部が下の意見を聞き入れる環境が整っているのだ。
また、先述の『5S』委員会に関しても同様だ。委員長を務めるのは現会長だが、活動の中心を担っているのは中堅~若手の一般社員。一般社員が管理職や上層部に対しても自由に意見を言える環境は、同社の「ペナルティ制度」(/articles/-/3070)と同じく風通しの良さが窺える。
消費者に対しては、値上げをCMで公表し、工場を“みせる”。社員に対しては、ボトムアップ経営やペナルティ制度の社内公開で換気をはかる。赤城乳業の商品が愛され続ける秘密は、誠実以上に「馬鹿正直」という言葉が似合う、そんな社風にあるのかもしれない。